本年初の温泉に行ってきました

下部温泉

みなさんこんにちは。

なんと、サボッているうちに4ヶ月も間が空いてしまいました。

この間、何をしていたかというと・・・

・外出自粛が緩和され、出勤が増えた。テレワークは週1日ぐらい。

・昼は弁当ばかりの生活から、徐々に外食が増えた。

夜の会食はぼちぼち再開。二次会はゼロ。

・新幹線で名古屋に出張1回。さすがに海外は行ってない。

ということで、ごくごく平均的なサラリーマンの生活パターンだったのではないかと思います。(自営業者なのですが・・・)

世の中も、なんとなくこの状態に慣れてきた感があって、相変わらず低調で厳しいけれども、コロナの弱毒化もあって、

まあ何とかなりそう

という、ゆるい感じになっているような気がします。

しばらくはこういう感じが続くのではないでしょうか。

今年初めての温泉

さて、私もそういう、緩みつつある人間の一人で、9月の4連休に今年初めての温泉に行ってきました。

東京がGo Toの対象になる前でしたが、そもそも私の行く温泉は

「ゴーツーって何」

という感じの温泉ばかりですので、あまり関係ありません。また、4連休ということで、そもそもネット経由で予約できるような温泉旅館はほぼ満室の状態でしたので、必然的に

「ネット予約不可、電話予約のみ」

「カード不可、現金のみ」

の旅館になります。

(こういう旅館、混んでいるときは結構穴場です。もっとディープなところでは、ホームページもなく、観光案内所のリストから探して電話をかけるしかない、という宿もあるのですが、当たりはずれがあります)

今回行ったのは、「武田信玄の隠し湯」として有名な(有名でもないか)山梨県の下部温泉というところで、ここは、なんと源泉の温度が

28℃

という、私の好きな「ぬる湯」にもほどがある、という温泉です。ちなみに、28℃なら冷泉ではないのか、という指摘がありそうですが、温泉法上の温泉の定義は「摂氏二十五度以上」ですので、立派な温泉です。

さすがに28℃だけだと厳しいので、内湯には40℃ぐらいの沸かし湯があるのですが、混浴の露天風呂もあって、これは完全に「源泉かけ流し」です。

というか、温度的には

プール

あるいは、見た目的には

といった方がいいですね。

ただ、ほのかに硫黄の匂いがして温泉感はあるので、慣れると病みつきになって、いくらでも入っていられます。

1時間入っていても全く温まらない

という意味では、なかなか新鮮な体験です。

それ以上に感動したのは、夕食でした。

一泊二食で1万円を切る料金なので、豪華な食材は全くなく、近所の湯葉屋さんから買ってきた湯葉刺し、鮎の塩焼き、豚肉と大根の煮物、といった感じなのですが、野菜ソムリエの女将さんが作ったものを、温かいものは温かいうちに出してくれる、という、ごくシンプルなもてなしがすばらしい。

野菜中心の天ぷらが6品ほど出たのですが、

揚がるたびに、ご主人が一つ一つ持ってきてくれる

という手の掛け方です。

女将さんが野菜ソムリエだけあって、野菜は自家菜園でもつくられているのですが、今年は終わりが早く、「近所のスーパーで買ったもの」ということでした。デザートのシャインマスカットがとても美味しかったので、どこから仕入れたのか聞いたところ、これも「スーパー」とのこと。

地元のものを、ちゃんと良いものがわかる人が買えば、高級食材でなくても、充分その土地のものが堪能できる、ということがよくわかる夕食でした。(朝食は、もう少し工夫の余地があるかも・・・)

この旅館は生き残れるのか

この日、宿泊客は、我々を入れて3組8人でしたので、売上としては、日帰り入浴の客を入れても10万円行っていないと思います。4連休の初日でこれなので、収入的にはかなり厳しいでしょう。今年の売上は1,000万円行くかどうか・・・。

ただ、流行りのデザイナー風の内装にするとか、厨房に投資して凝ったメニューにするといった、ここ数年の旅館にありがちだったバブルな投資をした形跡はありませんし、食材も地元の安価なものを使っていますので、コストは抑えられている。

マニア的には興味深い温泉と、野菜ソムリエの女将さんの家庭料理、古いけれどもそこそこ手入れの行き届いた建物、というリソースをうまく生かしていけば、こういう旅館は生き残っていけるのではないか、という気がします。

こういう地味な旅館ばかりになってしまうと、低消費・低投資で産業として活性化されない、という見方もあるかもしれませんが、最近、

それの何が悪い

という気がしています。

売上を拡大させるために消費を喚起して・・・そのために新製品を開発して投資をして・・・接待費はバンバン使って・・・といったループに疲れてきた気がするのは、

還暦

が近づいてきたからでしょうか。

銀座で一晩数万円使ったり、一泊数万円の露天風呂付温泉旅館に泊まったりするより、こういう地味な宿に泊まった方が癒される。

東京でもGo Toが適用されるようになり、この週末も各地で大賑わいのようですが、これまでの自粛の反動という面は多々あると思います。問題は、この反動が終わったあと、誰が生き残れるか。

この旅館のような、地味でも確固たるリソースを持っている小旅館か、資金力とマーケティング力のある旅館か。私が還暦に近づくのと同様、日本社会全体の高齢化(よく言えば成熟化)が進んでいるのだとすれば、それ以外の中途半端な旅館は、かなり厳しい状況が続くような気がします。

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