みなさんこんにちは。
緊急事態宣言が解除となり、今週から出勤を始められた方や、6月1日から本格的に出勤開始、という方も多いと思います。
私も先週、久しぶりに職場に顔を出してみました。
まだ出勤している人は少なく、通勤電車も、だいぶ混んではきましたが、マスク着用率はほぼ100%、席も間をあけて座っている、という感じで、昼間はそこそこ自粛モードが続いている、という感じです。
ところが・・・驚いたのは、夜、帰宅途中に垣間見た、飲食店(居酒屋系)の混み具合です。
近所の店を、外から2~3件覗いただけなのですが(さすがにみな入り口は開け放たれていました)、会社帰りのサラリーマングループ、若いカップル、カウンターの一人客など、「満席」とまでは行きませんが、かなり
「密」
な状態で、マスクもせず(あたりまえですが)、普段と変わらない感じで飲んでいます。
この中の一人でも感染者がいれば、間違いなく
クラスター発生
となっておかしくない状況です。
先週の時点で、地元の特に人気店でもない飲食店でこうですので、来週の都心はもっと凄いことになっているのではないかと思います。
「緩和ハラスメント」が発生する
緊急事態宣言の前、2~3月ぐらいのマスク着用率は、電車の中でざっくり4~5割、職場だと3~4割、という感じだったと思います。マスクが手に入らない、という状況もあったと思いますが、ざっくり5割ぐらいの人は
「コロナなんてそんなに心配する必要ないんじゃないの」
という感覚だったように思います。
(私も「コロナなんてニンニク食ってりゃ大丈夫だ。ニンニクパワーでコロナを吹き飛ばそう」と言われて宴会に誘われたこともあります。)
その後、緊急事態宣言や欧米の状況を見るにつけ、「これは大変だ」と、心から改心された方もいるでしょうが、人間には
「一貫性の法則」
がありますので、一旦「コロナなんてそんなに心配する必要はない」と判断した自分はなかなか変えられません。(ブラジル大統領が典型)
本当はやっぱり「コロナなんて心配する必要はない」と思っていても、緊急事態宣言が出たから自粛する、あるいは「同調圧力」に押されて自粛する、という人は結構いたのではないかと思います。感覚的には2~3割、という感じでしょうか。
となると、この2~3割の方々は、これから箍(たが)が外れた状態になってもおかしくありません。
2~3割ならまだ少数派じゃないか、と思われるかもしれませんが、組織の中で考えると、部長・課長・係長・先輩のそれぞれ3割が「箍が外れる」とすると、末端の若手社員にとっては
「上司の誰かが箍が外れている」
状態になります。
これまでは
先輩「おい鈴木。自粛自粛でつまんねえよな。新橋で開いてる店見つけたからこれからつき合え」
若手「先輩、さすがに今それはマズイっすよ。緊急事態明けたらつき合いますから」
と言えたのに、これからは
先輩「おい鈴木。緊急事態明けたよな。今日はつき合えよ。いいな」
若手「いや、まだ感染リスクが・・・」
先輩「なにちっせえこと言ってんだよ。前も言ったろ。コロナなんて大したことねえんだよ」 (でた)
若手 「・・・」
ということになってしまいます。
こうなると、これまで感染抑制に効果を発揮してきたとされる日本の「同調圧力」が急速に逆回転を始め、「自粛ハラスメント」と言われていたものから、
「緩和ハラスメント」
とでも言うような事態が発生することは容易に想像できます。
年寄りは静かに考えよう
自粛緩和になって、
「どうだ。久しぶりに一杯行くか」
とか、
「歓送迎会もできてなかったな。6月中にセットしてくれ」
みたいなことを言い出すのは、大体、そういう行動様式が身についてしまっている(私のような)年寄りではないかと思います。
以前も書きましたが、コロナ後の新たな生活様式を築いていけるのは、過去の成功体験にとらわれない、柔軟な発想を持った世代です。(これは物理的に若いかどうか、という意味ではありません。)
年齢にかかわらず、これまでの経験の延長線上でしか考えられないような「年寄り」は、しばらくおとなしくしているのがいいと思います。
一方で、年寄りは年寄りで、これまでの人生で出会った
「大事にしたいお店」
のひとつやふたつは持っているはずです。
そういう自分の大事なお店に、どうしたら生き残ってもらえるのか、温泉と日本酒を愛するものとして、私もこれから考えていきたいと思っています。